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子育てしやすい都道府県(学力編)

  • 執筆者の写真: こうじ たがた
    こうじ たがた
  • 2017年5月12日
  • 読了時間: 5分

我が子には勉強にしろスポーツにしろ、よい教育を受けさせたい。

多くの親はそう思います。特に子供は周りに影響を受けやすいので住む場所や環境が重要です。日本全国ところ変われば地域性も変わり、その地域特有の価値観があり、子供はその価値観の上位を目指そうとがんばろうとするからです。もちろんどこに住んでいても親の意向も強く影響するものですが、親の目の届かないところで子供は育ちます。

ただ、同じ県内ならまだしも子育てしやすい都道府県を知ったところで引越しなんてできないという方がほとんどでしょう。それでも、自分が住んでいる都道府県がどんな価値観を持っているかを知っていれば、無意識に周りに流されずに、家庭環境を整えることもできます。

秋田に追いつけ?

学力が高い都道府県はどこでしょうか。全国学力・学習状況調査 (全国学力テスト)の小学生部門では秋田県が有名ですね。2007年の開始以来、9年連続で全国1位という結果を残しています。秋田式メゾットという学習書まで登場したりしています。

最新の2016年度の結果では

1.石川県

2.福井県

3.秋田県

8.東京都

42.北海道

となっています。

一位の座は明け渡したものの、やはり上位です。塾などが少ない秋田県がなぜトップクラスなのでしょうか。答えは家庭にあると言われています。早寝早起き朝ごはんが徹底されている。百マス計算で有名な陰山先生もしきりにその重要性を訴えています。その他は毎日の学習を習慣化するなど、基礎的なことを積み重ねることがその秘訣のようです。

それにしても秋田や北陸など寒い地方ばかりが上位にきています。寒い地方ならではの県民性もあるのでしょうか。確かに暖かい地方の人のほうがのんびりしてそうだし、寒い地方の人のほうがコツコツ努力しそうなイメージがあります。だけど同じ寒冷地の北海道は下位グループにいます。となると気候だけが要因ではなさそうです。

理由はともかく、学力を重視するなら秋田でしょ!って言いたくなりますが、やっぱり学力面でも日本の首都東京が優位なんです。でも、東京も8位でまぁまぁ上位だけど、秋田に断然負けているじゃんっと思われそうです。

学力を重視するなら、やっぱり東京

それでもなぜ東京が優位なのか説明します。そもそも全国学力テストは私立校は任意参加のため、東京の教育熱心な家庭が通わせる私立小学校は基本的には不参加となっています。

大学進学率の上位5区(渋谷区、千代田区、港区、文京区、杉並区)に関していえば約1割の児童が私立小学校に通っています。そのため、幼稚園の頃から塾通いをしている上位層の児童が参加しておらず、そもそも東京と秋田を単純比較はできないのです。

それともう一つ、学力の最終的な目標を考える必要があります。学力自体はいわゆる「生きる力」と直結するわけではありません。社会人になれば学力よりもコミュニケーション能力やリーダーシップなど学力テストでは測れない要素が評価されます。

それなら学力は意味をなさないのかというと、そういうわけでもなく、学力が高い=情報処理能力が高いという証明になります。それは社会人として必要な能力の一部に過ぎませんが、それでも高い方がいいに決まっています。

そしてその証明は小学校時点の全国学力テストの結果ではありませんよね。多くの人を瞬時に物事を判断しなければならない社会では「学力」を「学歴」とみる傾向にあります。

そうすると多くの保護者が求める学力は、全国学力テストでは測れません。全国学力テストはあくまで小学校時点の学力なんで、その後の進学には直接影響しないからです。

それでは最終的な学歴と相関関係の強いテストは何でしょうか。東大の合格率も指標の一つですが、不況になると地方の学生は東大よりも地元国立大学の医学部を目指すようになるのであまり参考になりません。やはり学校歴と相関が強いテストは、多くの生徒が参加する「大学入試センター試験」でしょう。

そこで、大学入試センター試験の平均点の都道府県別の順位見てみると、

(大学入試センターは公表していないので進学塾の情報です。データにばらつきがあります。)

1.東京都

2.神奈川県

3.奈良県

10位前後.北海道

20位前後.福井県

25位前後.石川県

40位前後.秋田県

となります。小学校時点の全国学力テストの上位校は平均以下に繰り下がってしまいました。特にトップの秋田は下位グループにまで転落してます。しかも東京都と秋田県の平均点は100点近くの圧倒的な差です(ちなみに900点満点です。)。

全国学力テストでは冴えなかった北海道は逆に上位に繰り上がっています。

(※2020年度にはセンター試験自体が廃止され、新たな試験に移行します。どのような試験になるのかは詳細は不明ですが、おそらく大手の予備校がその攻略法を研究すると思います。そういう意味では予備校や塾が多い東京に軍配が上がる可能性が高いです。)

それに加えて大学進学率も大きな差があります。大学進学率は経済的理由や周辺に大学があるかなどの影響も大きいので、必ずしも学力と強い相関があるわけではないです。しかし、周りに影響を受けやすい子供は、多くが大学進学を目指す環境とそうでない環境であれば、どちらが進学という道を選びやすいかという点では重要となります。

大学進学率の都道府県別順位は

1.東京都

2.京都府

3.広島県

15位前後石川県、福井県

35位前後.秋田県

40位前後.北海道

となっています。

もちろん、優秀な人が全て大学に進学するわけではありません。また、いくら学歴が能力の判断材料の一つとしてみられるとはいえ、レジャーランド化している大学に高い学費を払って通わせる意味がどれくらいあるかという、そもそも論があるのですがそれはまた別の機会に検証してみたいと思います。

学歴と直結した学力を重視したい方は、大学入試センター試験と大学進学率を考えるとやはり東京都で子育てをやった方がよさそうです。

もし、秋田県やその他の全国学力テスト上位の県にお住まいの方はテストの特性を理解したうえで今後の人生戦略を練るとよいでしょう。それにしても、秋田県の教育関がの皆さん、小学校で優秀な秋田っ子達の学力がなぜ大学入試まで持たないのか、知っている方は教えてください(ディスってるわけではないですよ。純粋に疑問です。伸び代があるのにもったいないと思うのです)。

結論:学力=学歴を重視したいのならば、東京。

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