※発生頻度は、調査によって結果が異なりますので、あくまで目安です。
※ターナー症候群に関することは自己判断はせず、必ず専門医にご相談ください。
ターナー症候群とは
【ターナー症候群の概要】
◆主な特徴◆
身長が伸びにくいこと、女性らしい身体つきになりにくいなど、特有の体質を持っています。生まれつきの体質なので、根本的に直すことはできませんが、成長ホルモンや女性ホルモンを補充することで、学校でも社会でも問題なく人生を送ることができます。寿命も平均とほとんど変わりません。
◆染色体の欠損◆
私達の身体は何千億という細胞によってつくられています。その細胞のなかに染色体というものがあります。さらにその染色体のなかに遺伝子が折りこまれています。
ヒトの染色体は通常46本で、44本の常染色体と2本の性染色体があります。性染色体がXYというペアの場合は男性(46,XY)になり、XXというペアの場合は女性(46,XX)となります。
ターナー症候群の場合は、女性にもかかわらず、性染色体Xがひとつしかありません(45,X)。もしくはXXだったとしても、その一部が欠けていたり(構造異常)、XXの染色体を持つ細胞とXしかない染色体を持つ細胞が混ざり合ったり(モザイク)します。
【ターナー症候群の核型】
ターナー症候群といっても、いくつもの核型がありますが、大きく分けて①45,X、②構造異常、③モザイクの3種類です。
①45,Xは、ターナー症候群の典型的な核型であり、本来2本あるべきX染色体がひとつしかありません。
②構造異常には、X染色体の短腕(p)に異常がある場合と、長腕(q)に異常がある場合があります。異常の内容には、欠損、重複、環状、結合など様々な状態があります。
表記の例
・短腕の欠損
=「46,X,del(Xp)」
・短腕が欠損し、長腕に置換
=「46,X,i(Xq)」
・短腕が欠損し、長腕に置換、なおかつ動原体(腕と腕をつなぐ点)が2つ
=「46,X,idic(Xp)」
・染色体が環状
=「46,X,r(X)」
③モザイクの場合、45,Xの染色体を持つ細胞と、他の状態の染色体を持つ細胞が2種類混在しています。45,Xと46,XXが混在している「45,X/46,XX」が有名ですが、45,Xと②構造異常とのモザイクや、45,Xと46,XYとのモザイクなど、複数の核型があります。
核型の割合は研究成果によって異なりますが、典型的な核型である45,Xが20~50%程度で、残りは構造異常型、もしくはモザイク型です。比較的ターナー症候群の特徴が少ない45,X/46,XX(モザイク型)は12%といわれています。
ただし、臓器ごとにモザイクの比率が違うことが知られており、血液検査で45,Xであっても、他の体細胞はモザイク型の場合もあり、全てのターナー症候群はモザイク型という可能性もあります。
特に45,Xで二次性徴をきたした場合、性腺に46,XXの細胞が存在する可能性があります。
モザイク型で45,Xの染色体を持つ細胞が20%以下の場合、低身長、無月経にならないといわれています。
また、12%がY染色体の一部を持っていますが、体型は女性となります。
【ターナー症候群の頻度】
新生児に診断されるのはおよそ15%とされ、その大部分は45,Xです。56%は10歳以降に診断されていると考えられています。
ターナー症候群の特徴(低身長、二次性徴の不調など)から、臨床で発見される割合は、女児約2000~2500人に1人といわれていますが、新生児スクリーニング検査では女児約500人に1人という報告もあります。
これはターナー症候群の徴候が出現しているにも関わらず臨床で発見されていない場合と、検査で陽性だったとしても必ずしもターナー症候群の徴候を示していない場合があるということが考えられます。
また、ターナー症候群のなかでも45,Xの場合は、妊娠が認知されたとしても99%以上は生まれてこれないといわれています。全流産胎児の約20%を45,Xが占めます。
(父の声:受精卵の段階からターナー症候群だったあなたは奇跡的に生まれてこれたのです。時々それを思い出し、自信を持ってください。また、ターナー症候群と診断されたことはショックかもしれませんが、診断されたからこそ合併症などに事前に対応ができることを忘れないでください。)
【ターナー症候群の原因】
原因ははっきりしていませんが、生殖細胞(精子・卵子)を作る減数分裂や、受精後の細胞分裂での不分離・欠損・脱落・統合などによって生じると考えられています。
母親由来のX染色体を受け継いでいる場合が、75~80%といわれています。
環境的要因、飲酒、喫煙、年齢などの因子との寒冷性は見当たらないといわれています。基本的には偶発的な事象なので誰にでも起こり得ますが、稀に家族性性染色体異常症という場合があります。これは、父親もしくは母親由来のX染色体に比較的程度の軽い構造異常があり、それが引き継がれるものです。
こうした例もあるため、ターナー症候群児を持つ母親が再びターナー症候群の赤ちゃんを出産する割合は、一般よりも35倍高く、1/71という報告があります。