参考になる冊子・書籍
ターナー症候群についてはネットで簡単に調べることができますが、正確で体系的な知識を得るためには、冊子や書籍を一読することをお勧めします。
(こちらに記載のない情報がありましたらご一報いただけるとありがたいです。)
【冊子】
『ターナー症候群をご理解いただくために』
作成:中原 恵理、監修:澤井 英明
2018年・兵庫医科大学病院遺伝子医療部
最近発行された冊子です。出生前診断を受ける方向けに作成されたものだと思いますが、ターナー症候群の概要に加え、勉強・性格・不妊治療・歯科矯正に関する記述もあります。初めてターナー症候群を知った方でも理解しやすいように工夫がされ、なおかつ概要が網羅されている見やすい内容です。ネットでもPDFがダウンロードできます。
◆内容◆
ターナー症候群とは
ターナー症候群の染色体、原因
健康管理と合併症、見た目の特徴
発達と内面、時期ごとの課題、告知
成長ホルモン補充療法
女性ホルモン補充療法
不妊治療(生殖補助医療)
歯科矯正、健康管理
次回以降の妊娠/ターナー女性の妊娠
相談、情報
『ターナー症候群 ご家族へのガイド』
日本語版監訳者:藤田 敬之助
2003年・日本イーライリリー㈱
米国ターナー女性の会発行の冊子を基に、日本の現状にあわせた改定を加えた家族向けに書かれたものです。ターナー症候群の特徴などがわかりやすく記載されています。新生児期にみられることのある「足の浮腫」の写真が掲載されています。
◆内容◆
ターナー女性の特徴に気づくきっかけ
ターナー症候群とは?原因は?
成長曲線
性的発達および受胎能
身体的特徴
医学的問題
体重コントロール
知能および学業
ターナー女性の社会的・精神的問題
用語の解説
『成人期ターナー女性のためのケアガイドブック』
著:堀口 雅子、監修:横谷 進
2002年・日本イーライリリー㈱
成人ターナー女性のために、産婦人科医からの女性ホルモン・健康管理・不妊治療・恋愛についてアドバイスが記載されています。
◆内容◆
大人の女性になるということ
注意したい医学的な問題
適正な体重を維持する
適度な運動も大切
ストレスコントロールと休養
Q&A1.女性ホルモン
Q&A2.社会生活
Q&A3.不妊治療
Q&A4.恋愛や性
ターナー女性を愛する人、サポートする方々に
【書籍:本人、家族向け】
『成人ターナー女性』
監修/著:藤田 敬之助、著:甲村 弘子
2007年・メディカルレビュー社
おそらく2018年現在、ターナー症候群関連で最も普及している書籍です。成人のターナー女性向けに書かれていますが、小児期のことも記載されています。一生付き合っていくターナー症候群という体質について、きちんと理解するための必読書だと思います。
◆内容◆
小児期ターナー症候群の診断と治療
思春期から大人へ
女性ホルモン補充療法について
健康に過ごすために
1人の女性として
座談会(著者×本人4名)
手記(本人13名、家族1名)
「ターナー女性と家族の会」一覧
『ターナー女性』
著:ターナー女性を支える医師の会
1999年・メディカルレビュー社
「成人ターナー女性」が主に本人向けの書籍であるのに対して、こちらは家族向けの内容が多くなっています。出版年が古いので最新の情報ではありませんが、要点が網羅され、ターナー症候群に関する基礎的な知識が得られます。
◆内容◆
「ターナー症候群」の特徴
早期発見のポイント
低身長と成長ホルモン
女性としての身体成熟と女性ホルモン
ターナー女性と染色体
早期からの告知
大切な段階的告知
ターナー女性との接し方
ターナー女性にかかわる医師の姿勢
ターナー女性の知能と心の成熟
手記(本人5名、家族9名)
あるターナー女性の会の記録
「ターナー女性の会」一覧
「ターナー女性を支える医師の会」一覧
『ターナー女性の学校生活と教育』
監修:藤田 敬之助、訳:荒木 久美子
2016年・メディカルレビュー社
比較的最近出版された書籍です。イギリス・ターナー協会の冊子を基にしており、直訳が多く正直読みづらいですが、内容はためになります。小学生から高校生までのターナー児を持つ家族に読んで欲しい書籍です。ターナー症候群の子供の特性を理解することで、無駄に叱りつけたり悲観したりする回数が減らせるかもしれません。
◆内容◆
ターナー症候群とは
学校生活での社会的な対応
一般的な学習の問題
特定の学習の問題
性教育・医学的な問題
ターナー女性を教える時に役立つ簡単な10のコツ
家庭で保護者に役立つ10のコツ
特別支援制度
学校選び
卒業後の生活への準備
最終的な全体の注意点
手記(本人7名、家族2名)
「ターナー女性と家族の会」一覧
『ターナー症候群』
著:デンマークターナー友の会メンバー 他
1993年・医歯薬出版
本人・家族向けに書かれた世界的に有名な書籍です。今でこそ本人・家族向けの和書や冊子がありますが、当時はおそらく無く、ネットも普及していなかったので、ターナー症候群に関する情報が得られる貴重な書籍だったと思います。デンマークの方ですが、本人の写真もいくつか掲載されています。特に翼状頸の手術前後の写真は貴重です。
◆内容◆
ターナー症候群の頻度・原因
ターナー新生児の徴候・診断
小児期の発達
身長と成長ホルモン
学業の成績・教師の評価
職業選択の調整
思春期発達と女性ホルモン
性生活、養子、卵子提供
精神異常、病気
情報提供のあり方
『ベビ待ちバイブル』
著:赤星 ポテ子、監修:吉田 淳
2015年・中経出版
不妊治療の体験マンガです。著者は家族性染色体異常症(構造異常型ターナー症候群)ですが、不妊治療中の染色体検査で判明したようです。なんと2回の体外受精と9回の顕微授精を経て、卵子提供を考え始めた時に妊娠・出産をした体験を綴っています。実際は過酷な不妊治療をコミカルに描いた作品です。
◆内容◆
27歳で子宮体ガンに
子宮体ガンの再発までがタイムリミット
体外受精による身体の痛み
時間の拘束、金・心の負担
30歳にして卵巣機能年齢45歳以上と判明
顕微授精9回で待望の妊娠
『ニュートン別冊 赤ちゃん学』
2014年・ニュートンプレス
赤ちゃん学という題名にも関わらず、生殖細胞、染色体、DNAのことがカラーイラスト、CGや電子顕微鏡写真と共に解説された科学本です。難解な生殖医療を分かりやすく知ることができるお勧めの入門書です。
◆内容◆
精子・卵子・受精・胚発生・胎芽期・出生
染色体とDNA
滅数分裂X・Y染色体
染色体の受け継がれ方
体外受精、卵子の老化
IVA
iPS細胞から卵子を作る
など
【書籍:医療関係者向け】
『新版 ターナー症候群』
監修:岡田 義昭
2001年・メディカルレビュー社
医療関係者向きですが、比較的読みやすい内容になっています。ターナー症候群について深い知識を得たいと思っている方にお勧めできる書籍です。ただし、出版年が古いので、最新の情報でない場合もあります。
◆内容◆
遺伝子と染色体、疫学と頻度
臨床的概念
自然の成長、身体徴候
性腺機能、妊娠
羊水穿刺と絨毛採取
早期診断とその意義
内分泌学的病態
鑑別すべき疾患、類似疾患
ヒト成長ホルモンの治療効果
蛋白同化ホルモン
性ステロイドホルモン
糖尿病・耐糖能
甲状腺疾患・自己免疫疾患
骨X線所見の特徴
心・血管・腎臓疾患
骨代謝、難聴、耳鼻科的疾患
ターナー女性のケア
総論、手記(本人、父親)
告知の必要性とそのあり方
心理的問題、精神社会的様相
ターナー症候群の本人・家族の会について
『ターナー症候群の遺伝学』
著:緒方 勤
2003年・メディカルレビュー社
医療関係者の中でも遺伝学を専門とする人のための書籍なので、かなり高度な内容となっています。専門知識がないと読みこなすことは困難ですが、頸部が風船のように膨れ上がった45,Xの流産児の写真が掲載されています。閲覧には覚悟が必要ですが、この世に生を受けることができなかった同胞の彼女たちの無念さを考えると、つらいこともいろいろあったとしても、本当に奇跡的に生まれてこれたことに感謝して人生を歩んで欲しいと、この写真を見る度にそう思います。
◆内容◆
ターナー症候群研究の背景
性染色体の構造と進化
X染色体不活化の基礎と臨床
性染色体異常症における身長変動の機序
SHOX遺伝子の基礎・半量不全の臨床
Y特異的成長遺伝子
リンパ管形成遺伝子
性腺異形成の発症機序
性腺腫瘍発症の遺伝的機序
知能障害・発達遅滞発症の遺伝的機序
染色体異常症の発症機序
『新版 卵巣組織凍結・移植
~新しい妊孕性温存療法の実践~』
著:鈴木 直
2021年・医歯薬出版
日本初の卵巣組織凍結・移植に関する書籍です。2004年に世界で始めて生児の獲得に成功して以来、試行錯誤を繰り返しながら研究段階から現実的な妊孕性温存の手段になりつつある卵巣組織凍結・移植について書かれた医療書となります。専門書なのでなかなかの価格ですが、卵巣組織凍結保存を検討している方は一読することで理解が深まります。2013年に出版された原本の増補全面改訂版です。
◆内容◆
卵巣組織凍結の歴史
卵巣組織凍結の現状
卵巣組織凍結・移植の現状(ターナー症候群)
凍結生物学Cryobiology(基礎)
凍結生物学Cryobiology(臨床)
卵巣組織の“緩慢凍結法”
卵巣組織の“超急速凍結法”
卵巣組織のガラス化保存法
卵巣組織凍結に関するその他の話題
卵巣組織凍結法(緩慢凍結法 vs. ガラス化法)
卵巣組織凍結における患者説明
卵巣組織採取の実際
小児・思春期患者に対する卵巣組織凍結保存
卵巣組織移植の最新知見
卵巣組織移植の実際
卵巣輸送
原始卵胞の体外発育-体外成熟
卵子幹細胞
人工卵巣
卵巣組織凍結における長期保管体制