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※発生頻度は、調査によって結果が異なりますので、あくまで目安です。

※気になることがある場合は、自己判断はせず、必ず専門医にご相談ください。

女性ホルモン

【治療の目的】

女性ホルモン補充療法を行うことで、女性らしい身体つき(乳房発育など)や周期的な月経を確立します。

また、骨量を保つ作用、体温上昇作用、皮膚をみずみずしく保つ作用、毛髪の寿命を延ばす作用があります。

他には、子宮の発育や、女性としての意識の確立を促します。高脂血症・動脈硬化・狭心症・心筋梗塞を防ぎ、精神面や脳機能にも関連性があるという報告があります。

【治療開始年齢】

周囲の女児の思春期開始年齢とあまり遅れない時期、11歳ぐらいにエストロゲン(卵胞ホルモン)を少量ずつ開始するのが理想的といわれています。遅くとも14歳までに始めるのが望ましいと考えられています。

12~15歳の間に140㎝に達した時点で、少量のエストロゲン補充を開始すれば、最終身長150㎝という目標からも大きく外れないようです。

女性ホルモン補充を遅らせることで、最終身長を高くすること可能な場合もありますが、遅らせることによる身長獲得は、わずか年0.3㎝とも言われています。

 

周囲の女児に比べて明らかに遅い場合の心理的・社会的マイナス面もあるので、暦年齢、社会年齢(成熟度)、身長、骨密度、骨年齢などを総合的に評価し開始することが大切です。骨量が低い場合は、早い時期からの補充が必要となります。

治療開始後、半年から1年で乳房発育に本人が気づくようになります。1~3年すると十分発育します。

【治療方法】

もっとも広く行われているのは飲み薬による治療です。貼り薬は血中濃度が安定し、消化器症状が回避でき、中性脂肪が増加しないメリットがありますが、かぶれなどの副作用が出ることがあります。

方法としては、まず、エストロゲン(卵胞ホルモン)を少量からだんだん増やす形で服用します。

 

1~3年経過後、乳房の発達が十分みられた頃に、プロゲステロン(黄体ホルモン)を追加します。

その後、成人期の投与方法であるカウフマン療法(エストロゲン-プロゲステロン療法)に移行します。

 

カウフマン療法では、月の前期はエストロゲンのみ服用、月の中期~後期はプロゲステロンを合わせて2種類服用、月の最後の1週間はどちらも使用しない方法で行います。

​​【副作用】

副作用は非常に少ないと考えられています。高血圧・肝機能障害の頻度は5%以下、血栓症の頻度は0.1%以下です。

 

マイナートラブルとして、悪心・嘔吐・胃腸障害・消化不良・乳房痛・乳房緊満感・頭痛・不正出血・抑うつ感・浮腫・肝斑・下腹部痛・倦怠感・性欲低下がありますが、ほとんどの場合心配いりません。

非常に稀に血栓塞栓症・高血圧・肝機能障害・子宮内膜癌・乳癌が報告されています。

(母の声:マイナートラブルがあらわれた場合は、主治医に相談しながら薬の変更など補充療法を見直しましょう。1年1度程度の定期的な検査も大事です。)

【治療を中止すべき症状】

・片側または両側の下肢の痛みと浮腫

・持続性の頭痛(偏頭痛)の出現

・突然の激しい頭痛、胸痛、喀血

・目がかすむ、見えなくなる

・黄疸の出現

・全身の激しい瘙痒感

・長期の悪心・嘔吐

(母の声:これらの症状がある場合はただちに服用を中止し、専門医に相談してください。)

【注意すべきこと】

血液・循環器疾患(血栓塞栓症、心臓発作、脳梗塞など)の発症率を高めるため、「禁煙」を守ってください。

血糖降下薬の作用を弱めるので、使用の際は用量の調整が必要です。

隠れたメリットとして月経日を調整できますが、主治医に必ずに相談してください。

(父の声:両親もタバコを吸わない習慣が大事ですね。)

【治療終了時期】

およそ更年期まで継続すればよいのではないかと考えられています。生活の質が高まるのであれば、更年期以降も続けていけばよいといわれています。

エストロゲンだけ投与し続ける医師もおり、長期ホルモン補充による副作用の危険性は低いと考えられています。

【月経自然発来の確率】

45,X            

  =9.1%(7.3%~11.3%)

45,X/46,XX

  =39.3%(26.9%~53.2%)

45,X/47,XXX

  = 66.2%(49.3%~79.8%)

構造異常

  =35.5%(24.2%~48.6%)

45,X/構造異常

  =13.7%(10.3%~17.8%)

(母の声:初潮があったとしても周期的に月経がこないことが多いようです。また、構造異常の場合は染色体の異常箇所により確率が大きく異なるので、詳しくは専門医に問合せてください。)

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