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ジャパンパッシング進行中!

  • 執筆者の写真: dad-k1
    dad-k1
  • 2017年4月16日
  • 読了時間: 3分

1998年、当時のクリントン政権が日本に立ち寄ることなく、台頭しつつあった中国を訪問し長く滞在した。それをマスコミが連日報道し、ジャパンバッシング(日本たたき)ならぬ、ジャパンパッシング(素通りされる日本)という言葉が生まれ、政財界をはじめ日本中で騒がれた。そして、それは世界を席巻した日本という国家の世界における重要性が、ひとつ下がったことを意味した。

あれから20年。小泉政権の構造改革や現政権のアベノミクスにより一時的に株価が上昇し、日本経済が再び浮揚するかのように思えたときもあったが、ほとんどの時期においては冴えない経済状況であった。若い世代にとっては経済が好調な時代を知らず、不況状態がデフォルトとなっている。

1990年ごろまではオイルショックを除けば一貫して日本経済は拡大し続け、第二次世界大戦で壊滅的な被害を受けながらも奇跡的な成長を遂げたと世界から絶賛されていた。GDPもいずれは米国を追い抜くと思われていたし、日経平均株価も10万円を超えると信じられていた。

結局は、米国に追いつくどころか中国に追い抜かれた。いずれ他の新興国から追い抜かれ、順位を下げ続けることになるだろう。株価も4万に届かないまま、一時は1万円を切るほど悪化し、現在でも10万円の1/5にも及ばない。

経済の拡大は必ずしも人々の幸福に結びつくわけではない。だが、だからといって経済停滞を放置してしまえば、日本だけが世界から取り残される。かつては米国を追い抜く勢いがあった経済状況があったからこそ、世界から注目される国だった。今や世界の中心は米国と中国の二強体制となり、日本の存在感は薄れつつある。

モーターショーなど国際的なイベントでもアジア市場の中心である中国で出展する企業が増え、またグローバル企業のアジア拠点は東南アジアの事実上の首都シンガポールにある場合が多い。かつてはアジア市場といえば日本のことを意味し、拠点は東京であった。

現在の状況に陥ったのは、日本経済が停滞することにより市場拡大が見込めないという世界各国の判断があったからだ(もちろん岩盤規制や日本人の英語力など他の要因もある)。国内企業も縮小する市場を嫌い、海外へシフトしている。市場が縮小する原因は、やはり少子化による人口減少であろう。

戦争でもなく飢餓でもなくウイルスでもなく、日本人が減り続けている。西暦4000年代になれば日本人がこの世からいなくなるらしい。

極右的な考えを持っているわけではないので日本人がいなくなること自体を問題だとは捉えていないが、その過程で起こる経済縮小、人手不足から生じる日常生活の破綻、培った文化の継承不能など、様々な負の変化がこれからこの国に起こると思っている。

そしてその負の変化が、日本という国の世界での位置づけを低くし、かつて栄えた斜陽国家としてしかみられないことは、 Japan as Number One と言われた時代を少し知っているものにとっては、とても虚しく感じる。

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