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男性にはできない妊娠と出産


オムツ換え、ミルク、着替え、お風呂、寝かしつけ.....

以前は女性の仕事と思われていたものが、男性にもできるようになった。最近はイクメンブームもあって、育児に抵抗がない男性も増えているだろう。女性ができることは、全て男性もできるようになればよいが実際はそうはいかない。男性に唯一できないもの、それが妊娠と出産があるからだ。

出産は、男性には想像できないと言われる激しい痛みが伴う。その痛みは無痛分娩施設を選択することで、幾分かは緩和できるので、男性にできることはその余分に掛かる費用を捻出するだけだ。しかし、妊娠中の悪阻(つわり)や身体へ負担などは、軽減することもできず男性にできることはほとんどない(マッサージや家事など間接的にできることならある)。

どんなに男女平等を叫んでも、妊娠・出産だけは女性にしかできないので、代わることはできない。そうである以上、子を設ける場合は、女性が一時的かもしれないが仕事を中断せざるを得ない。それはキャリア志向の女性にとっては避けたいことだ。そのせいで、子どもは欲しいけど、仕事を中断させたくないという女性は妊娠することを望まなくなる(そして少子化につながる。)

あまり知られていないことだが、この女性にしかできない妊娠・出産についても他の方法が模索されている。と言っても、男性が妊娠・出産するわけでない。子宮を人工的に作成することが試みられている。

生殖医療の発達により、受精も体外で行われることが多くなっているし、未熟児で生まれた赤ちゃんも胎内環境に近い保育器で育つことができる。そして、生殖医療界の次の目標は人工子宮を創造することだ。

実は人工子宮については、ヤギ、ネズミ、ヒツジによる実験はすでに成功しているようなので、20~30年後にはヒトについても人工子宮での妊娠、出産ができるようになると言われている。

もしそれが実用化されると、女性が妊娠・出産から開放されることを意味している。ただ、宗教界も巻き込んだ倫理的な論争になるだろう。だが、体外受精についても初めは倫理的に問題視されていたし、自然分娩にこだわる人にとっては帝王切開についても同じだろう。

他にも自然妊娠・出産を望んでいたとしても、職場からの圧力により、人工子宮を利用した妊娠・出産をさせられるなど懸念材料はいくつかある。

それでも、もし胎児の成長にも影響がない人工子宮が完成したならば、それは女性にとっても男性にとっても選択肢が広がることとなり、妊娠・出産がスムーズにいくようになれば、少子化問題の解決につながるかもしれない。

(誤解のないように言っておくが、少子化のために人工子宮が必要なのではなく、女性の負担軽減の選択肢として人工子宮があり、その結果として少子化対策になるかも知れないという話)

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