top of page

都市部と地方ではどちらが育てやすいか


世界中のどの国もそうだが、ヒト・モノ・カネが集積する都市部と、自然が豊かな地方が存在する。

この国は特にその傾向が強く、東京圏には1/4の人口が集中している。そのため都市部は過密しており、住居費をはじめとしてあらゆる物価が高騰している。地方は車中心の社会になっていて、商店街は廃れ、国道沿いのロードサイド店が幅を利かせている。

同じ国とは思えないくらい価値観や文化、家族形態、生活リズムなどが異なる都市部と地方。子育てという視点でみると、どちらがよいのだろうか。

都市部は、学校、スーパー、図書館など日常生活を送る上で必要なものがコンパクトに収まっている。学校区も子どもの足で徒歩15分くらいの場合が多いので、通学や生活の利便性が高い。また、習い事も種類が豊富にあり、例えばエレキギター教室、ボルダリング、レゴスクールなど地方ではなかなか無いようなものも多い。ただし、物価が高いために習い事も高額になる傾向にある。

遊びは公園や施設内が多くなる。施設は有料施設がほとんどな点が残念だ。安全面では、通学路には防護柵などを施していることが多く、学校自体も塀で囲われていることが多い。

学校生活は、特に小学校の高学年になると中学受験を受ける児童が多いので、学力に力を入れる傾向がある。塾も豊富にあるため、学校で大量の宿題が出させることはあまりない。そして進路も圧倒的に選択肢の幅が広い。

娯楽は、国際空港に近いため海外旅行が多く、地方在住よりもはるかに多い頻度で出かけている。

一方、地方では、通学や生活の利便性はあまり高くなく、学校に登校するのに徒歩30分以上かかることも珍しくない。ただし、雨の日に車で送り迎えをしやすいのは地方の利点だと言える。習い事は、公文式やピアノ教室などオーソドックスなものが多い。英語教室もあり、月謝もそれほど掛からないので、マンツーマンレッスンも結構手軽にできるのも利点だ。

遊びは、自然がすぐ近くにあり、車を20分くらい走らせると山や海にたどり着けるので、男子のみならず女子もアウトドア派が多い。だが安全面は、通学路に柵がない箇所も多いので、危険な箇所もある。そして学校自体もフリーアクセスの場合が多く、プールも近所の道路から覗かれたりすることもあるかも知れない。

学校生活は、学力よりもスポーツや集団行動に重きを置く傾向にある。家庭訪問もしっかり実施し、運動会の練習も時間をかけて行う。進学は、地方から大学へ進学する場合は「国立大学」を目指すことが多い。都市部では評価の高い私立大学であっても、地方では無名だったりするので、早慶以外は対象になりにくい。そもそも地方は学歴に価値を置いておらず、大学進学率も低い。

また、娯楽は海外旅行へ行く頻度は少ないものの、学校行事が多く、近所付き合いも豊富なため、人とのつながりから感じる幸福感は得やすい。

都市部から地方に(その逆の場合も)転校経験がある者は、その違いに驚くことが多いだろう。一概にどちらが子育てしやすいかは言えないが、それぞれ特色がある。子どもが大企業に入って欲しいのならば都市部の方が有利なのだが、最近はソーシャルビジネスに関心を示す若者も多いことを踏まえると、地域とのつながりが深い地方の方が事業を立ち上げやすかったりもする。

価値観が多様化し、成功の方程式が見出しにくい時代になってきたので、それそれの特色を踏まえた子育てが求められている。

RECENT POST
bottom of page