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幸福の条件は、愛情・健康・お金


あるシンクタンクの調査によると、幸福を感じやすい(少なくとも不幸とは感じない)ための条件は、

1.子との密接な関係(愛情)

2.健康

3.十分な金融資産(お金)

ということらしい。もちろん、この3つが揃っても、不幸だと思っている人もいれば、3つうち1つでもあれば、幸せだという人もいるだろう。

幸福は、主観的なものであるが、愛情・健康・お金が満たされれば、幸福を感じる感じる人の割合が増えるのも事実のようだ。

だけど、なかなか厄介なのが、幸福の3条件(愛情・健康・お金)はそれぞれ相性があまりよくないことだ。どういうことかと言うと、子との密接な関係をつくるには、当たり前だがまず子供を設けなければならない。子育て費用は無償ではなく、多額の出費が必要となる。多額の出費は、金融資産の減少を招く。

逆に金融資産を増やそうと思えば、体に負担をかけて働く場面も増えるだろうから、健康に支障が出ることもある。また、仕事に時間を費やしすぎると、子どもとの関係が崩れることもある。

幸福の3条件は、完全なトレードオフ(あっちを立てれば、こっちが立たない)ではないもの、相性が悪いことは確かだ。それでも、人は幸福を求めて生きている。

そして、幸福を得るためには、孤立して生きるわけにもいかず、社会のなかで自己実現を図りながら生きていかなければならないが、少子化による人口減少によって、少しずつ社会運営が難しくなりつつある。社会そのものが無くなってしまえば、よほどの変わり者で無い限りは、幸福など得られるわけはない。

そのことを踏まえると、社会と個人の幸福を実現するためには、人口減少問題の解決と、幸福の3条件を満たすことが必要条件となる。

人口減少問題を解決するためには、少子化の是正、移民受け入れ、ロボットの活用の3つしかない。移民の受け入れは日本人のメンタリティーを考えると現実的ではないし、ロボットの活用にしても、AI技術が急速に発達しているとはいえ、それが人手不足解消するレベルになるには相当な時間を要する。

そうなると、持続的な社会運営を可能にするためには、少子化是正がもっとも適切な解決となる。

少子化を是正するために、子を設けることを国民に強制するわけにはいかないだろうから、幸福の3条件が満たせるように社会が誘導していくしかない。そのためには、子育て費用の軽減とワークライフバランスの充実が必須となる。それができれば、子との密接な関係、健康、十分な金融資産が相反せずに満たせるようになりやすくなる。

ただし、子育てに対する社会のコンセンサスはまだ不十分なので、子育て世帯や若者世帯に対して、支援金の給付や休暇を与えることに理解を示さない高齢者や経営者(管理職)が圧倒的に多い。

彼らには彼らの正義があるので、なかなか相容れないだろう。ただし、お互いが歩み寄らなければ、人口減少は止まらずに、社会が運営できなくなることだけは事実だ。

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