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イクボスが日本を変える


イクボスという言葉を聞いたことあるだろうか。

この国は、人口減少社会に突入し、少子化対策に対して少しずつ理解を示し始めている。育児に積極的に関わる男性を「イクメン」と言うし、生活と仕事の両立を目指す「ワークライフバランス」という言葉も普及してきた。

そして、子育て中の部下はもちろんのこと、全ての部下のワークライフバランスを考え、仕事・子育て・生活の充実を図るために業務の調整を積極的に行う、「イクボス」が注目されつつある。

これまでの日本社会では、仕事と家庭は全く別物と考えていて、子育て中の社員は戦力外宣告を受け、退職を迫られるか、閑職に追いやられていた。今でもそういう会社があり、裁判沙汰になればニュースになったりしているが、昔はニュースにならないほど一般的だった。

そのような状況では、子育てはおろか、充実した人生を送ることは到底できない。仕事に熱心に取り組むことはもちろん重要だが、全生活を仕事に向けてしまうと、社会が成り立たない。言葉は悪いが、仕事人間は自分の利益しか考えないジコチューだ。

今現在は、イクメン、イクボス、ワークライフバランスという言葉があるくらいなので、仕事・子育て・生活の充実が図れる社会へ移行している最中だ。完全に移行できたときは、そのような言葉は使われることはない。

これまで常識だと思ってたことが非常識になったり、これまでは考えれなかったことが徐々に受け入れられ常識になることはよくあることだ。しかし、受け入れるまでには当然反発もあるだろうし、社会から潰されることもあり得る。

イクボスも同じことで、若い頃はそのような風潮はなかったので、なかなか子育てのために休暇や、退社時間を早めたりすることに抵抗があるだろう。しかし、自分の頃はそんなものは無かったと言ってしまえば、社会は何も変わらない。 

とはいえ、「自分の頃はそんなものは無かったけれども、今の社会には必要なことなので、自分の部下には積極的に子育てに関わって欲しい。」とはなかなか言えないのが人間の性であろう。そう考えると、既にイクボスを実行している上司は、とてもメンタルが強い尊敬できる人間といえる。

そのような頼もしい上司が少しずつ増え、その恩恵を受けた子育て中の部下は、今度は自分の部下に対してそれ以上のことを行えば、社会はより良いものになる。

人口減少はこれから深刻化していくので、一刻も早く社会が変わらなければならない。男性も積極的に子育てに関わり、家庭進出する。女性は、ある程度子育てを男性に任せ、社会進出する。もはや専業主婦という恵まれた存在は社会のモデルではなく、十分に子育てできるような環境をつくり男性も女性も共に働くことこそが、社会のスタンダードモデルである。

子育てやしやすく、仕事と生活のバランスのとれた充実した人生を送るためには、それを実行しようとする自分たちの意志と、それを理解し、陰で支える上司が必要不可欠である。

それが、イクボスが日本を変える理由である。

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