少子化対策は強制するものではなく、誘導するもの
- dad-k1
- 2017年8月9日
- 読了時間: 3分

「少子化対策っていうけど、お国のために利用されたくないんだよね。結婚を強制させられる世の中って生きにくいよね。」
都市部に住み、自由を謳歌している若者は、少子化など関心がない。人口減少は自分とは関係のない話だし、少子化対策のために自分の行動を制限されるなんてあり得ない。そう思うものは若者だけではないはずだ。
それはもっともな話で、戦中のように、産めや増やせやと強制される世の中はとても息苦しい。自治体が主導して「お見合いイベント」などを行えば、どことなく押し付けがましいし、税金の無駄使いという声もあがるだろう。
政府も自治体も本音を言えば、少子化は社会や経済に深刻な影響を与えるので、積極的に婚活を応援したいだろうが、実際はうまくいっていない。
それでは、政府も自治体も少子化対策については無力なのかというとそうでもない。子育て支援の一環で、児童手当を給付することや、保育園の増設やそのための補助金など、政府や自治体にしかできない。
子育ては何もしなければ、経済的合理性を持たない。端的にいえば、経済的に折り合いが合わないから、少子化が進んでいるといっても過言ではない。
極端な話だが、出産祝い金が一人あたり1億円給付され、待機児童問題も解決し、マタハラ・パタハラなどが一切ない社会になれば、少子化は一気に解決するはずだ。(もっとも、今度は人口増加問題に発生するだろう。)
ただ、1億円の出産祝い金を受け取れば、労働意欲が萎え、働かない大人が増えるだろうし、今度は逆に子どもがいない世帯との格差が生じてしまうので現実的ではない。巨額の政府支出の財源をどうするかという問題もある。
1億円は現実的ではないが、第3子以降の出産については、1千万円程度の祝い金は必要だろう。1千万円というととても大きい金額に感じるが、子育て費用は養育費・教育費・居住スペース増加分の住居費などを合わせると5千万円(都内の場合)は掛かるので、1千万円でも少ないくらいだ。
1千万円が適切なのか、5千万円が適切なのかというのは、実際にやってみて出生率にどれだけ効果があるのか検証が必要だが、要は何も結婚を強制しなくても、結婚して子どもを持つ方が経済的に理に適っているということになれば若者の考えや行動も変わるだろう。
本来は経済的合理性だけではなく、子育てにはプライスレスの喜びがあるはずだ。現在は、経済的合理性があまりにも悪いので、プライスレスの喜びが霞んでいるだけだ。
子育てをする上で、お金や保育園など預け先のこと心配しなくてもよい社会になれば、少子化問題はたちまち解決するだろう。そのためには、どのような社会にしたいかをよく考えてみることが重要だ。
Comentários