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自由恋愛が招いた結婚しない社会

  • 執筆者の写真: dad-k1
    dad-k1
  • 2017年5月18日
  • 読了時間: 3分

「恋愛結婚」 「お見合い結婚」 「結婚しない」

結婚適齢期を迎えた男女には3つの選択肢がある。どれが最も選択されるかは、その時代の社会全体の考え方に依存する。

戦前は言うまでもなく「お見合い結婚」が主流であった。父親に大きな権限があり、現在は住民登録上の世帯主に過ぎないが、当時は家長と呼ばれていた。世帯主も家長も同じような言葉に聞こえるが、実は大きな違いがある。

子は家長(ほとんどの場合は父親)の同意なしには、婚姻ができなかった。そのような社会状況では自由恋愛などほとんど認められないので、親同士が婚姻を決めることが一般的だった。子は親に従わざるを得ないし、特に女性の場合は経済的な面を考慮すると親の決めた相手と結婚することが合理的な選択であった。

現在は、一部の田舎ではそのような習慣が残っているが、ほとんどにおいて子の自由意志が尊重され結婚する相手は自由に選べるようになった。実際、戦前は大多数だったお見合い結婚が、1960年代に逆転し、最近では数パーセントにまで減少した。

お見合い結婚の比率

 1930年代:約70%

 2000年代:約5%   

お見合い結婚が恋愛結婚にスタイルを変化させただけであればそれほど問題にならないのだが、現実は第三の選択肢「結婚しない」が非常に多くなっている。

結婚しない理由は「自由でいたい」とか「経済的理由」とかいろいろ言われているが、本当に皆が皆、自由意志で結婚をしないと強く望んでいるわけではない。なんとなくいい出会いがないからそのままという人も多い。

昔なら次々に縁談話が持ち込まれていたのが、現在は親が相手を捜すわけでもなく、世話焼きおばさんがいるわけでもなく、ただ本人の行動力に任されている。しかしシャイな日本人はそれほど自由恋愛が得意なわけではない。

婚活と称してガツガツして結婚相手を探す姿はやっぱりカッコ悪いと思ってしまう国民性なのだ。そして強い意志を持って結婚しないわけではないが、独身という人が増えている。

現在のお見合い制度に変わるものとしては、結婚紹介サービスがあるが費用も高いので気軽に利用できるものはない。

最近では自治体が主催となった街コンや婚活パーティなどもあるが、婚姻にまでいたるのは一握りだ。どんどんお見合い話を持った世話焼きおばさんの能力には到底及ばない。

そもそも結婚とは自由意志で行うものであり、少子化が問題になっているからといって、国や自治体、結婚紹介サービスが強引に推し進めるものではないという意見はごもっともだ。だが、いずれは結婚したいと思っている未婚男女は8割を超えている。もしいい出会いがあれば結婚してもよいと考える独身者がほとんどだ。

また、恋愛結婚よりもお見合い結婚の方が離婚率が低いというデータもある。

恋愛至上主義になってしまった状況は、実は個人にとっても社会にとっても機会損失を生み出しているのではなかろうか。

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