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ファストファッションが変える地方の未来

  • 執筆者の写真: dad-k1
    dad-k1
  • 2017年6月5日
  • 読了時間: 3分

ユニクロ、GU、GAP、ZARA、H&M、FOREVER21

これら低価格でそこそこ流行を取り入れたグローバルブランドを、ファストファッションという。これまでは、安物の服はファッション性が低く、おじさんしか着ないのが定番だったのが、安いけどそこそこオシャレで、買っても恥ずかしくないブランドを若者が好んで着るようになった。それに釣られるように他の世代もファストファッションを身に着けるようになった。

そのファストファションが地方の未来を変えるかも知れない。

思春期を迎えた若者は自己顕示のためにファッションにこだわり始める。そしてファッションは都会から発信されるものであり、近所には売っていない。Tokyoには値は張るが個性的でオシャレなものが満ち溢れている。そして若者はそのなんとなくキラキラした都会に憧れを抱き、Tokyoを目指す。

けれど、その都会への無邪気な憧れが地方の人口流出につながっている。

華やかなファッションに魅了され、大都会Tokyoで暮らし始めて、そして連れがいないおひとり様でも何一つ不自由なく生活を送り、気がつけばいい年になっている。離れてしまった地元の商店街は寂れ、両親も年老いてきていることが、気にはなるものの今さら戻ることも難しい。

そうして日本の人口の約3割が低出生率の東京圏で暮らすことになり、それが少子化を招く結果となっている。20歳前後に抱いた都会への憧れが、人口減少という社会問題にまで発展してしまっている。

ただ、最近は少し様子が変化してきている。ファストファッションが流行る以前はそのような行動パターンをとる若者が多かったが、ファストファッションは全国展開している店舗も多く、わざわざTokyoにまで足を運ぶ必要がなくなった。安くてそこそこのオシャレが近所の店でも十分にできるようになった。さらにオシャレをしたい場合も、Tokyoまで行く必要もなく、ネットで注文できる。

つまり、ファストファッションのおかげでTokyoと地方のファッション格差が少なくなり、Tokyoまでは行かなくてもいいかなという空気感につながっており、一昔前のように都会に憧れる若者は減ってきている。

(ただ、ファストファッションは海外で大量生産されているので国内の製造業には恩恵はないし、海外の貧困地域で労働者が廉価な賃金で働かされているなど、別の次元の問題はある。)

最近の若者は草食と言われているように、派手な生活を好まず、海外旅行にも行かず、軽自動車にも抵抗無く乗れて、お手軽なファストファッションを楽しむ。実は将来に対する経済的な不安からそのような行動をとっているにしても、見栄を張らずに等身大の生活を送っているともいえる。

もちろん就労先や学校が限られるとか、失業率や賃金の格差など、他の要素の格差が大きいので、ファッション格差が縮まっただけで地元に留まることはないだろうが、それが東京一極集中の是正につながり、地方が活性化する可能性の一つにはなっている。

ファッションは、単なる流行ではなく、人々の生活様式をも変えうる力を秘めている。 

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