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マイノリティとなった子どものいる世帯


昭和50年(1975年) 53.0%

平成27年(2015年) 23.5%

団塊ジュニア世代が生まれた時代には、家庭の中に子どもがいることが当たり前だった。冒頭の数字は全世帯のなかで子どもがいる世帯の割合を示したものだ。半数以上が子どもがいる世帯だったのに対して、今では1/4を下回っている。わずか40年で子どものいる世帯が半分以下になってしまった。

都道府県別に見ると、

・子どものいる割合が最も多いのは    福井県 30.9%

・子どものいる割合が最も少ないのは  東京都 19.6%

となっている。最も多い福井県でさえ、昭和50年の全国平均には到底及ばない。サザエさんやちびまるこちゃんは、もはや日本を代表する家族像ではなく、ノスタルジーの対象と化している。昔は貧しい家庭も多かったけど、子どもが多くて、経済が成長していて、日々の生活は上向きだった。年配の人ほど、そのような時代を古きよき時代として記憶している。

そして、今や子どものいる世帯とのほぼ同数になったのが、高齢者世帯だ。子どものいる世帯と反比例するように増加し続けている。

昭和50年(1975年)   約3%

平成25年(2013年) 23.2%

近所付き合いも頻繁だった昭和50年頃であれば、たったの3%くらいの高齢者世帯に対しては、地域の皆が気にかけることもできた。しかし今は、近所付き合いが希薄になっているなか、約4世帯に1世帯が高齢者のみで暮らしているので、地域の皆が気にかけるなんてことは到底不可能だ。

高齢者世帯の割合は今後も伸び続け、2035年には28%になると予想されている。子どものいる世帯割合の予測は不明だが、おそらく減少し続ける。

何も昭和50年が理想というわけではない。子どもの数があまりにも多すぎる場合には、学校も大人数クラスにならざるを得ないし、受験も熾烈な争いとなる。個性を重視した教育などは、教員の数が足りずに到底不可能だろう。またそのときの景気にも左右されるが、就職の内定率も低くなる可能性が高い。

だからといって子どものいる世帯が減りすぎて、高齢者世帯が増えすぎる社会がいいわけはない。高齢者世帯は消費も活発ではないので、経済面にも負の影響を及ぼすし、孤独死もさらに増えて、身近なものになる。介護施設や病院が足りず、スタッフも不足して、介護難民も激増するだろう。 

また、シュリンクしていくであろう経済が、この国に生きる者から希望を奪い、今以上に閉塞感が漂っているかもしれない。

日々の変化には気がつきにくいので、世帯数の割合の変化についても数字ほどは実感がないかもしれないが、日本を訪れた外国人は自国に比べてはるかに高齢者が目につくという。

若い世代が極端に少なく、高齢者ばかりになった社会がどのようになるのか、それは誰にもわかならい。なぜなら、日本が少子高齢化のトップランナーなのだから。

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