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卵子凍結の問題点

  • 2017年7月7日
  • 読了時間: 3分

「卵子凍結」という言葉をご存知だろうか。

卵子凍結については、米国では、アップルやフェイスブックが社員に対して、日本では浦安市が市民に対して、費用負担の助成を始めたために認知度が高まった。

また、2016年にNHKクローズアップ現代+が “老化”を止めたい女性たち~広がる卵子凍結の衝撃~ を放送した。

http://www.nhk.or.jp/gendai/articles/3882/1.html

卵子凍結とは、元々はがん治療などの医学的な理由で、治療の前に卵子を凍結保存するという行為(医学的卵子凍結)であった。しかし、最近では、今のところパートナーはいないが、いつか子どもが欲しいと思っているので、卵子の老化を止めるために凍結保存をするいうケース(社会的卵子凍結)が増えてきている。

そもそも社会的卵子凍結がなぜ増加しているかというと、就学期間が長くなり(高学歴化)、さらに仕事に打ち込むことで「妊娠適齢期」を見過ごしてしまう女性が増えているからだ。

一所懸命勉強し、受験に打ち勝ち、就職戦線を乗り切り、ハードワークに耐え、やっと一定のポジションを得たと思ったら、あっという間に35歳を過ぎていた。そこでパートナーはいないが、卵子の老化が加速していく年齢なので、慌てて凍結保存するといった具合だ。

卵子凍結の技術自体は、長期的な影響はまだ不明とはいえ、既に一定の医学レベルに達している。それならば、例えば、20歳になった時点で、将来の保険として卵子凍結すればよいと思われるかも知れないが、そんな簡単な話ではない。

卵子凍結には、「採取時の体への負担」、「経済的負担」、「凍結することでのさらなる高齢出産」といったディメリットが存在するからだ。

既に一定の医学的レベルに達しているので、採取することでの出血、感染、麻酔による死亡などのリスクはかなり低いものではあるが、体に負荷をかけることに変わりない。

経済的負担についても、アップルやフェイスブック、浦安市が助成をするほど、費用が掛かる。採取費用に加え保存費用も加算されることから、年数と保存卵子個数にもよるが、100万円以上にかかることが一般的だ。

また、凍結することで安心してしまい、出会いに対して積極的で無くなったり、パートナーがいる場合でも、結婚や出産よりも仕事を優先させてしまい、結局高齢出産になってしまうことも考えられる。出産はそもそも危険を伴う行為なので、高齢になるほど様々なリスクが出てくる。

そして、せっかく体と金銭面での負担をかけて凍結した卵子も、ほとんどが使用されない現実がある。NHKの調べによると、1005人の卵子凍結者に対して、実際に妊娠につながったケースは12人しかいなかったようだ(2016年時点)。その妊娠に至らなかった多くは、凍結技術の不具合によるものではなく、パートナーが見つからないという理由だった。

卵子凍結は、個人の選択肢の一つとしてあった方がよいし、それについて他人がとやかく言うものではないが、少なくともそれが少子化に歯止めをかける切り札となることは、今後もありえないだろう。

 
 
 

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