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世界一の高齢社会


フランス    126年

スウェーデン  85年

アメリカ     72年

日本       24年

高齢者の比率が7%から14%に増加するまでに掛かった年数の国際比較である。この国は、どの国よりも早く高齢化が進行している。なぜ7%と14%かというと、WHO(世界保健機構)や国連の定義が、7%=高齢化社会、14%=高齢社会となっているからだ。

21%以上になると超高齢社会というが、この国は既にそれに突入している。そして予測では2060年台に38.4%まで高まる。その後は緩やかに減少するが、およそ100年後の2115年でも34.1%に高止まりしている。

40年後は、遠い未来のように感じられるが、今日生まれた赤ちゃんが人生の折り返し地点を迎えたときである。その頃には約4割が高齢者となっており(現在は約2割)、86才前後が人口のボリュームゾーンとなっている。団塊ジュニア世代のほとんどがまだ生きており、介護や病院必要とする頃だ。

長寿は人類の夢であり、それを叶えた日本人は世界で一番幸せだと思いたいが、誰もそんな風には捉えていないだろう。長寿は望ましいことであるが、それで幸福を感じるには、自分が高齢者になり、介護や病院を必要としたときに、次世代がちゃんと支えてくれる見通しがついていることが必須前提である。

自分が要介護者になったときに、施設やスタッフが足りなくて、放置されるような状況であれば、誰も長生きしたいとは思わないだろう。高齢化が世界最速で高まっている状況なので、ありえない話ではない。

これから益々若い社会の担い手が減少していくわけなので、介護や医療系以外の分野で人手不足に陥ることが予想される。よほどよい条件を出さない限りは、人材が集まらないだろう。しかし、介護や医療費は健康保険法で点数が決まっており、簡単には時給も、サービス料も簡単には上げられない。

それでも、介護難民が大量発生するような事態は、社会が不安定になるので、なんとかするしかない。しかし、他国と違い、高齢化が急激過ぎるので、制度を変えて事態に対応することが果たして可能なのだろうか。

将来世代にとってみれば、もしかすると、人出不足により失業とは無縁の社会になっているかもしれない。だが、介護に社会の手が回らなくなった場合は、身内の面倒は身内で看るしかない。そうなったら、政府が目標としている介護離職がゼロどころが、そこらじゅうで介護離職が発生することになる。

急激な高齢化は、もしかするとこの国の形を大きく変え、社会が崩壊する危険性もはらんでいる。まだ今は担い手がそこそこいるが、40年後の担い手がいなくなったときにどのような社会になっているかは、わからない。

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