top of page

世界で最も子どもが少ない国

  • 執筆者の写真: dad-k1
    dad-k1
  • 2017年4月27日
  • 読了時間: 3分

世界の人口は未だに増え続けている。2015年現在で約73億人だが、国連の予測では2100年には112億人となる。アフリカ、アジアの発展途上国は多子化社会であるが、先進国ではフランスなど子育て支援制度が充実している国を除けば、概ね少子化社会である。

代表的な国でいうと、アジア諸国では韓国,香港,マカオ、ヨーロッパではドイツ,イタリアなどが日本と同じ少子化に直面している。だが、香港,マカオは中国本土から同じ言語を持つ同一民族が流入することが容易であるから、少子化ではあるがほとんど問題とはならないだろう。

ドイツ,イタリアにしてもEUに加盟している限りは問題ない。EU加盟国は原則として自由に移動して働くことができる。それに加えて、さらにドイツは移民を受け入れている。移民との衝突という別の問題はあるにせよ、労働力不足ということに対しては積極的に対策を講じている。

韓国は、日本に近い状況であるが、人口動向については日本より数十年遅れているので、まだ人口減少社会には突入していない。日本は2015年に人口減少が始まったが、韓国は2031年と推計されている。

統計年度にもよるが、日本は世界で最も子どもの割合が少ない国となっている。逆に高齢者は世界で一番が多い。先にあげた国々は日本を追うように子どもの割合が減っているが、日本はある意味トッランナーである。

2016年生まれの新生児の数は、ついに、統計を取り始めた1899年から初めて100万人を割り込んだ。出生率の最低だった時期に比べれば若干ましにはなっているが(2005年の1.26が過去最低。2015年は1.46に回復。)、それでも子どもは減り続けている。

いったん子どもが減ってしまい、大人ばかりの社会が形成されてしまうと、公共の場は静かな空間となる。すると、子どもが少し騒いだだけでも目立つし、不快に感じる人が多くなる。そして多数の大人たちが少数の子どもたちを、無意識にせよ排除する方向に動いてしまう。 

一定数の子どもがいれば、少しくらい公共の場で騒いだりしても、ある意味諦めがつくし慣れる。例えば、雑然とした部屋では多少の散かりは気にならないが、整然として清潔な部屋では髪の毛一本でも気になる。同様に、大人ばかりが集まった社会が形成されてしまうと、空間が洗練される一方で、子どもの入る余地を与えない。

都市化が少子化の原因のひとつと言われている。それは居住スペースの狭さや働き方の問題もあるが、スタイリッシュな場所が多くなり過ぎることも影響している。

少子化の原因が何にせよ、世界のトップランナーである日本がどのような社会へと変貌していくのか世界中が注目している。

それは決して羨望の眼差しを向けられているわけではなく、人口減少社会をどうやって乗り越えようとするのか、乗り越えられるのか、坑道のカナリアとして見られているだけの話だ。

Comments


RECENT POST
bottom of page