妊娠適齢期について(タブーとなっている話)
- dad-k1
- 2017年5月8日
- 読了時間: 3分

世の中には多数「タブー」が存在する。
身近なところだと、普段の食事において、ご飯に箸を突き刺して立てる行為は、多くの日本人は忌まわしいと感じてしてしまうだろう。上司にタメ口を叩くことだってそうだし、土足で人の家に上がり込む事もそうだ。
そして、妊娠の適齢期について話すこともタブーだ。
なぜタブーになっているかというと、婚活市場においては、適齢期を意識してしまうと、適齢期を過ぎてしまった者に対しての差別につながってしまう。それゆえ、学校教育においても積極的にはこの適齢期の話はしない。
しかし、少子化の問題には避けては通れない。
タブーとなっているが、実は妊娠しやすい適齢期が存在する。なぜなら、見た目の若さとは無関係に、卵子は老化するからだ。どんなに美魔女と言われようと、関係ない。当然個人差はあるのだが、それでも卵子の年齢が実年齢より10歳も若いなんてことはない。
(もちろん精子だって加齢とともに数や運動量が低下する。)
適齢期は医学的にいうと妊孕性(にんようせい)が高い時期のことだ。具体的にいくつくらいかと言うと、女性の場合は概ね20才~35才だと言われている。
実際、不妊治療のデータにおいても生産率(流産・死産を含めない出産率)は若いほど高い。だが、35才を過ぎたあたりから急降下をはじめる。それは年齢を重ねると卵子の老化のせいでそもそも受精しにくいし、受精しても染色体異常率が上がるので流産、死産をしやすい。
もちろん適齢期を過ぎても全く妊娠しなくなるわけではなく、40過ぎでも元気な赤ちゃんを産んでいる者はたくさんいる。しかし、統計的に考えてるとどうしても減少してしまう。
ここで言いたいことは、婚活市場において妊娠適齢期を過ぎたものを選択肢からはずせというこではない。当然だが子育てだけが人生ではない。ただ、子どもを設けることは、動物の生殖機能に依存するものであるので、それを学校教育や成人式など人生の過程で重要な情報として認知した方がよいということだ。
それが差別につながるという意見ももちろんあるし、面と向かっていってしまってはセクハラになってしまう。しかし、過度に妊娠適齢期ということがタブーになることで、知識を得ないまま成人する者があまりにも多すぎる。
しかし、大学を卒業して必死に仕事をおぼえていたらすぐに適齢期を過ぎてしまう。ここで問題なのは、高学歴化が少子化につながっているのではなく、高学歴の者に対しても適齢期を逃さずにキャリア形成ができる社会制度が整っていないことだ。
日本社会は一度職業キャリアから離れてしまうと、もとのキャリアルートには戻りにくい。だからどうしても職業キャリアを優先させるか、子どもの数を絞るか,諦めるかの2択しかない。勝間和代氏のように子どもが3人もいながらキャリアを積める人は極めて稀な例外だろう(その分すごさが際立っている)。
キャリアを持続させながら、妊娠適齢期の知識を得て、自由意志で人生の選択ができる環境が整わせることが、多くの個人にとって望ましい状態だし、少子化を食い止める一助にもなることは間違いない。
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