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出生率の低位推計が的中した場合の未来とは

  • 執筆者の写真: dad-k1
    dad-k1
  • 2017年5月16日
  • 読了時間: 3分

未来の予測は非常に難しい。

10年先どころか5年先も読めない時代だ。ITを中心とする技術革新により、これまで常識とされていたことが常識でなくなったり、考えもしなかったことが起きたりする。

例えば、スマホで簡単にネット検索できるようになって、実店舗の店内で価格の比較ができるようになった。北海道に住んでいる人が簡単に関西の問屋から商品をネット注文できるようになったので、北海道の小売店舗は単なるショールームと化している。

また、趣味嗜好合う人とコミュニケーションとれるようになったし、昔は高校を卒業したら疎遠になっていた友人たちと途切れることなく簡単に連絡が取り合えるようになった。旅行に行く前にもストリートビューで予め下調べもできる。

これまでも手紙や電話を使えばできなくはなかったことも、大したコストをかけずにそれが可能な社会になっている。ITがこれほどまでに普及するまでは考えられなかった。同じような変化がこれからの未来にも何度となる起こるだろう。それがどのようなものかは具体的に想像することは困難だ。

未来予測は難しいものだが、比較的高精度で予測できると言われているのが人口推計である。出生率は急激には変わらないので10年先の人口なんてのはほとんど的中が可能となっている。

そんな人口推計についても初期条件の違いにより、超長期的な予測となると大きく異なる。出生率が多少変わろうとも10年先はほとんど総人口に変化はないが、50年先や100年先は大きく変わってくる。

人口推計にも幅があり、新聞やニュースに取り上げらえるのは中位推計を基にしているだ。中位推計は、現状の出生率を参考にして、考えられる幅の中央値を採用しているに過ぎない。実際は台風の進路と同じように中央部を通らず、ある幅の中で変化し続ける。

それでは、中央値ではなく、悲観的予測が実現してしまった場合はどのような社会になるのだろうか。少子化対策を何もせずに現状よりも出生率が低下したとする。そのときの出生率を中位仮定の1.44ではなく、1.00と仮定した場合は

2015年 約1億2700万人

 ⇒ 2065年 約8800万人

    2115年 約5000万人   

   (出生率1.44)

 ⇒ 2065年 約7500万人

    2115年 約2600万人

 (出生率1.00)

という結果になる。

出生率が1.44の場合は100年後の人口は約4割となるが、1.00に低下した場合はなんと約2割にまで減少してしまう。これは江戸時代の推計人口3000万人よりも少ない数となってしまうのだ。

人口減少社会はメリットもあるので心配ないという論者もいるが、今日生まれた赤ちゃんが人生を終える頃には今の2割の人口に減少する日本社会でも果たしてメリットの方が多いといえるだろうか。

急激に縮小していく社会が、消滅してしまう都市がどのような状態になるのか、その未来予測もまた難しい。

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