スウェーデンはなぜ育てやすいか
- dad-k1
- 2017年5月29日
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高福祉国家として有名な 「スウェーデン」
そして、フランスと同様、出生率もまた高い。
スウェーデン 1.88(2014年)
日本 1.46(2015年)
と日本政府が目標としている1.8を越えている。高福祉国家スウェーデンは子どもを育てやすいことで有名だ。そして特徴としては専業主婦が少なく、ワーキングマザーが多いことだ。専業主婦率はスウェーデンはなんと2%しかいない。日本ではまだ38%と以前に比べれば減ってきているものの、スウェーデンとは比較にならないほど女性の社会進出が遅れている。
日本では妊娠すると一旦離職して、子供が大きくなったらまたパートで働きにでるといった就労スタイルが多い。そのため女性の就労率は、30代~40代前半が低いM字カーブを描いている(それでも最近は少しマシになってきている)。もちろんスウェーデンではM字ではなくきれいな放物線を描いている。
一般的に専業主婦の方が子育てをしやすいように思えるが、スウェーデンでは仕事との両立を実現し、そして出生率高い。なぜ両立ができるかというと、母親によるワンオペ育児をやっていないからだ。
スウェーデンの場合は父親の育児参加が当たり前となっている。最近になって日本に普及した「イクメン」というスタイルではなく、もっと本格的に「家庭進出」している。赤ちゃんのうちは母親のみならず父親と二人で世話をし、少し大きくなったら保育園に預けられることが一般的だ。
それを可能にするのは育児のためのしっかりした制度である。父親が育児に関わるためには日本のように終電まで残業などしていてはできるはずがない。残業どころか、スウェーデンでは父親のほとんどが育児休業を取得している。男性の育児休業を取得率を比較すると
スウェーデン 約90%
日本 約2%
と雲泥の差が開いている。加えて保育園の待機児童もほぼない。
当然だが、子育てをしやすくするためには社会への負担が欠かせない。高福祉国家スウェーデンでは消費税が高いことでも有名だ。日本はまだ8%程度であるがスウェーデンでは25%にも及ぶ。しかし、その消費税もまた、少子化改善にはプラスに作用しているようだ。なぜなら、払った分を取り戻すためにも子を設けなければ損をする感覚になるからだ。
沖縄など国内の高出生率の地域は、実家が近いなどの私的な援助があることで子どもを育てやすくしているが、 スウェーデンの場合は公的な制度によるものだ。日本も人口が集中する都市部は特に、実家から離れた核家族が増えているので、私的な援助に期待していては少子化問題は解決しない。
また、人口減少社会の負の影響を少しでも緩和するためには、女性も働き続ける社会を目指す必要があることから、沖縄型育児支援ではなく、スウェーデン型育児支援に移行するほかない。
日本の目指すべき姿はやはりスウェーデン、フランスなどのヨーロッパ諸国だ。
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