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子どもの声を我慢できなければ、死ぬ直前まで働かなければならない

  • 執筆者の写真: dad-k1
    dad-k1
  • 2017年6月14日
  • 読了時間: 3分

老後に必要な経費 = 1億円

昨今、老後の生活に対する関心の高さからなのか、老後資金に関する本や記事があふれている。65歳から90歳まで生きるために必要な資金は概ね1億円というのが、多くの記事のコンセンサスとなっている。

1億円という大金をなんて貯蓄できないという人がほとんどだろうが、1億円のうち7千万円は年金で賄えるから、残り3千万を自力で貯めましょうというアドバイスがほとんどだ。3千万なら今から準備すればなんとかなるかも知れない、めでたしめでたしとなるのは、その前提となる年金制度が現状のままである場合に限る。

3千万でも貯められないという人も多いと思うが、もし年金が全くなくなった場合は1億円を自力で貯めなければならない。さすがに人口が減っていると言え、年金給付がゼロになることは考えにくいが、この国の年金制度は「積立方式」ではなく、事実上「賦課方式」である。

つまり、自分が積み立てた分を将来受け取るわけではなく、今の現役世代が今の高齢者世代を支え、今の現役世代が高齢者になった場合は将来世代に支えてもらうという仕組みになっている。

ありえない話だが、今後全く子どもが生まれずに、将来世代がいなくなった場合の年金制度はどうなるのだろうか。その場合は年金制度は破綻せざるを得なくなるだろうし、生活保護やそれ以外の社会の仕組みが根本から崩れていくだろう。

もしそのようなことが起こった場合は、老後の生活資金を全て自分で用意しなければならなくなる。自分が支払った年金を返してくれといくら叫んだところで、年金制度自体が崩壊してしまえば返せるわけがない。

そうなった場合、1億円を自力で貯められる人などほとんどいないのだから、死ぬまで働かなければならない。年金制度が出来る以前は「自助」や「共助」が当たり前だったので人生を全うする直前まで働く必要があった。病気で働けなくなった場合は、家族や親戚に支えてもらっていた。

現代では親戚や近所との関係も薄く、、ほとんど「共助」は期待できない。そうなると、自力で1億円を貯めるか、死ぬまで働き続けるかどちらかになる。

今後、子どもが生まれなくなるというのは極端な話であるが、子どもがいなくなるということはそういうことなのだ。将来を担う子どもはすでに減少し続けている。1億円は必要ないのかもしれないが、3千万円で足りるとも思えない。そんな大金を貯められる自信がないのなら、自分の気持ちはどうであれ、80歳くらいまでは働かなければならないのかも知れない。

子どもは大人の常識とは別の世界で生活しており、うるさいし、きたないし、よく泣くし、言うこと聞かない。

厄介な存在であるのは確かで、いない方が静かで快適かもしれない。しかし、その快適さを望む代償として、病気になろうが怪我しようが、死ぬまで働き続けなけれならない現実が待ち受けていることを忘れてはならない。

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