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赤ちゃん連れがスターになれる文化

  • 執筆者の写真: dad-k1
    dad-k1
  • 2017年6月19日
  • 読了時間: 3分

「あらぁ~、かわいい赤ちゃんねぇ。何ヶ月?」

地方で赤ちゃんを連れて歩くと、大げさではなく芸能人にでもなったかのように周りの人に声をかけられる。そういった経験は一度や二度ではなく、一日に何度も声かけしてもらったりもする。東京など都市部に住んでいる人にとっては信じられないかも知れないが、地方ではよくあることらしい。

都市部の人が冷たく、地方の人が特別優しいと言いたいのではない。都市部でも何かあったら手助けしてくれる人も多い。だけど、積極的に声掛けするかというと、そういう人はほとんどいない。そもそも都市部は人が多過ぎるので、いちいち赤ちゃんに気を留めない。

地方は、よくも悪くも都市部よりも緩い文化がある。あうんの呼吸でやっている部分が多いので、窓口での事務作業も緩く感じられることもあるが、他人との関係性もまた緩くつながっている。初めてあった人でも共通の知り合いがいたりするのはよくある話だ。そのように緩くつながっている社会なので、赤ちゃんにも声をかけやすい雰囲気がある。

赤ちゃんが生まれると、世話のためにやらなければいけないことが一気に増える。また、赤ちゃんは突然泣いたりするので、世間の目を気にしながら過ごすことになる。それによる心身の磨耗が、時には虐待やうつ病などを引き起こすこともある。

そんなときに赤ちゃんに対して、暖かく微笑ましい眼差しで声をかけられると、少し救われた気持ちになれる。少なくとも悪い気はしないし、赤ちゃんは厄介者でなく価値があるものなんだということを再認識させられる。

少子化の主な原因は、経済的都合と労働的制約が挙げられることが多く、それについては政府主導で改善を進めている。まだまだ不十分ではあるが、少しずつよくなっている面もある。ただし、仮に経済面と労働面がある程度子育てがしやすい環境になったとしても、社会の暖い目がなければ、なかなか子どもを設けるモチベーションにはつながらない。

経済面と労働面を整えることはマイナスをゼロにする作業である。社会が赤ちゃんや子どもを暖かく受け入れることがあって初めてゼロからプラスになる。そのプラスが大きければ大きいほど子どもを設けようとする夫婦が増えるだろう。

そういう意味では地方の方が都市部よりも数倍子育てがしやすい。祖父母や親戚に加えて、周りの人にまで声掛けしてもらえば、育児ノイローゼにはならないだろう。仮に近くに頼る人がおらずにワンオペ育児をやってたとしても、孤独感にさいなまれることはない。

でも、もしあなたが都市部に住んでいたとしても、悲観することはない。地方でできることは都市部でもできるはずだ。電車の中でぐずっている赤ちゃんを見かけたときは、小さな勇気をもって話しかけてみると、緊張感のある車内が和やかに変化するかも知れない。

赤ちゃん連れがスターになれる文化。それは、世界に誇れる素敵な文化ではないか。

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