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職場 ⇔ 社会 の二律背反な関係

  • 執筆者の写真: dad-k1
    dad-k1
  • 2017年6月26日
  • 読了時間: 3分

「二律背反」・・・二つの相反する命題や推論が、同じだけの合理性・妥当性をもっていること。

子育て中の社員と、そうでない社員の間には、緊張感が張り詰めている。子どもが熱を出した、予防接種を受けなければならない、PTA行事のため......子育てをしていると、不意に職場から離れなければならない時がある。そのときに業務を滞りなく遂行するためには職場の同僚に仕事をお願いすることもある。

困ったときは助け合いとは言っても、子を持たない同僚はいつも仕事を押し付けられる気持ちで一杯だ。子どものこととはいえ、休めていいよな、とイヤミの一つも言いたくなる。そのような経験はないだろうか。

職場と、社会は、二律背反な関係だ。それが子育てを難しくしている。

少子化是正のためには、子育てしやすい環境をつくることが重要だ。そうしなければ人口減少が続き、やがては社会が運営できなくなるからだ。しかし、職場で日常業務を実施している同僚にとっては社会全体や未来のことなど関係ない。目の前の業務が第一優先なので、そのために自分に負荷がくることは誰でも避けたいと思うのが本音だろう。

皆が同じように子育てしていればお互い様といえるだろうが、職場には独身やDINKS世帯もいる。その場合は、ほぼ一方的に業務を振られることになり、不満は募るばかりだ。

この問題は解決が非常に難しい。子育てに関する経済的支援は児童手当の拡充や、授業料の無償化などで対応は出来なくはないが、職場については育児休業などの長期休業でない限りは代わりの社員を補填しない(中小企業では育児休業の代替についても確保するのが難しい)。

ただ、全く方法がないかというとそうではない。育児休業については厚生労働省も支援に取り組んでおり、育児休業取得や、職場復帰、代替要員確保についての補助金を、中小企業事業主が受け取れる制度がある。子育てを支援する事業主を応援するものだ。ただし、これらの補助金額は、職場の負担に対して一部にしかならないので、補助金額のアップが必要だ。

そして、育児休業時のみらず、職場で子育中の社員がいれば、人数に応じて補助金を出すようにさらなる制度拡充も必要である。さらにその補助金を社員へ還元することを義務づけることで、その業務の穴埋めをしなければならない社員にも利益があるようにする。

少し過保護なように思えるかもしれないが、何もしなければに職場と社会の二律背反な関係は解消されずに、子育てに対して後ろめたさを感じることになり、結果として少子化につながってしまう。

また、その補助金は社会のために還元するものであるので、消費税などで国民が一律に負担することが望ましい。フリーランチ(ただ乗り)などはないのだから、皆が平等に負担するしかない。そしてそれが巡りめぐって、住みやすい社会をつくることにつながる。

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