もうお立ち台では踊れない
- dad-k1
- 2017年4月18日
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ジュリアナ、お立ち台、ワンレン、ボディコン、舘ひろし.....芸人平野ノラがバブルネタで売れている。バブルネタ、そうバブルは、もはやネタになるくらい昔話になっている。
在庫商品の値段を上げたら売れた、土地が数日で倍になった、内定が出たら海外旅行に連れて行ってもらったなど、現在では考えれないような羨ましい話が一部ではあったようだ。
しかし、バブル崩壊後の悲惨な状況のほうがセンセーショナルに報道され、また身近にもリストラや倒産などの憂き目にあった人もいたために、すっかり日本人アニマルスピリット(野心的意欲)は削がれてしまった。
当時、日本は世界経済を席巻していた。東京証券取引所の時価総額は、米国を含む世界株式時価総額の約4割のシェアを誇っていた。現在は1割を切っている。1990年に比べてダウ平均株価は約8倍に拡大しているが、日経平均株価はほぼ半減している。アベノミクスで株価が上昇したといっても、米国市場との成長差は16倍にもなった。
バブル経済が健全とは言わないが、世界の経済成長から取り残されている現状はあまりにも残念だ。日本人が怠けているわけでも、研究開発を怠っているわけではない。実際、研究開発費総額の対GDP比は世界トップクラスを保っている。
そしてグローバル化への対応やロジカルシンキング、社内ミーティングの英語化など世界と競争できるように様々な努力を続けている。怠けているわけではない日本になぜ投資が呼び込まれないのか。
日本株の保有比率は、個人でもなく、機関投資家でもなく、外国人がトップで30%を超えている。バブル期は5%程度に過ぎなかった。つまり現在は、外国人が多く投資して、日本人が日本に投資をしていないということだ。
日本人の個人金融資産の総額は1700兆円を超えている。そのうちリスク資産である株式・投資信託・債券の割合は15%程度に過ぎない。米国人のリスク資産の保有割合は約50%なので日本人はやはり保守的といえる。それは日本人のフィナンシャルリテラシー(お金に関する知識や分析能力)の低さもあるが、それ以上に少子高齢化が影響を与えている。
日本人の金融資産は高齢者に偏っており、高齢者は投資に対するリスク許容度が高いように思われる。だが、多くの高齢者は年金暮らしで、不足する生活費分は貯蓄を取り崩している人が多い。よほどの金融資産を持っていない限りは、毎月減っていく貯蓄に加え、さらに変動の大きい株式など保有したら、日本人のメンタリティからすると夜も眠れなくなる。
また、現役世代もリスク許容度は決して高くない。少子高齢化による社会保障制度の負担増により、積極的に投資できる手取りが少ない。また、年金制度の不透明感など将来的な不安も大きいために安全資産を好む傾向にある。結果、高齢者も現役世代も投資にお金をまわせていない。
政府も金融資産のリスク資産への移行を後押しすることで経済活動を活発化させたいので、NISAやiDeCoなどの制度をつくり、投資環境を整えようとしているが、なかなか投資に目が向けられない。
人口減少による国内市場の縮小。投資に活用されない個人金融資産。それに伴う経済停滞。そして、経済的不安からくる少子化。
負のループから抜け出すきっかけはどこにあるのか。
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