ロボット社会移行への爆発点(ティッピングポイント)
- dad-k1
- 2017年4月26日
- 読了時間: 3分

SNS、ブログやスマホなどのITの進化による発明品は、当初は認知度も低く、あまり知るものはいなかった。しかし、徐々に普及しある時点を過ぎたら、知らない人がいないくらいにあたり前のものになっていた。そのある時点は、爆発的に普及することから「爆発点(ティッピングポイント)」と呼ばれている。
人工知能が凄まじい勢いで開発されている。手元にあるスマホの音声入力を試してほしい。一昔前までは使い物にならなかった代物が、ある程度使用できるレベルにまで到達している。ただ便利になる一方で不安要素もある。
これまでもロボット社会に移行することへの警告は、映画などの作品を通して何度も行われてきた。有名なところでいうとターミネーターであろう。作品で描かれている世界では、人工知能が自己増殖し、やがて人間社会を制圧している。抑圧された人間たちは、その状況を打破しようと画策する.....という内容だ。
人工知能の開発は各国で行われていて、その勢いを止めることはできない。やがて人口減少社会を支える切り札として、ロボットが活用されることになるだろう。これまでも産業革命などで人力の作業が機械にとって換わられる歴史があった。
その時も人間の仕事を機械が奪ったわけであるが、機械の不得意な作業も多かったし、機械は知能を持つわけではなく、オペレーティングは人間がやる必要があったので、全く仕事が無くなったわけではなかった。
しかし、人工知能を兼ね備え、見た目も人間そっくりなロボットであるアンドロイド(GoogleのOSではない)が誕生しつつある。現状のロボットは、まだ歩き方もぎこちないし、話しかけても支離滅裂な返しをすることが多い。見た目もさすがに人間と見分けがつく。だが、熾烈な開発競争は行われているので、いつかアンドロイドは完成する。
そして追いつくどころか、アンドロイドはいつの日か、人間の能力を追い抜く。記憶力や計算力はすでに追い越しているが、思考力や感情、欲望を兼ね備えるようになり、見た目も劣化しないアイドル並みになるだろう。そのアンドロイドが自分たちの権利を主張しはじめ、法整備も行われる。そうなったらアンドロイドに人間が太刀打ちできるはずもない。
少子化が世界で最も進んだこの国は、社会を維持するために必要な手段の選択の余地はさほど多くはなく、アンドロイドの活用も視野に入れることになるだろう。恐らくは、少子対策、移民政策に加えて、アンドロイド普及により社会を維持しようとする。
その過程において、日本社会を存続させるためにアンドロイドを大量に輸入しなければならない事態が発生することが想定される。結果として、ある優秀なアンドロイドを開発した企業や国による利益独占が起こり、これまで蓄積した国内の資本が止め処なく海外に流出してしまう。
一方で、少子化対策は日本人が日本人に対して行う施策であるために、海外に資本流出はない。
そう遠くない未来に、スマホが爆発的に普及したように、アンドロイドも爆発点を迎え、あたり前の社会になる。その流れ自体は変えられないが、少子化対策の代替案として楽観的に考えられるほど、バラ色ではない。
それに頼るよりも、フランスのように少子化対策を徹底的に見直して、出生率を上げることの方がまっとうだと思う。
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